バックヤードツアー 都立多摩図書館2012/11/08 14:57

立川にある都立多摩図書館のバックヤードツアーに行ってきました。普段、入ることのできないカウンターバックや書庫の中を図書館員の方が案内してくれます。

まず、地下2階の書庫から見学スタート。伊能図やダ・ヴィンチ素描図の複製本など、普段見ることの出来ない資料を閲覧させてくれます。伊能図の地図の精緻さびっくり。今はグーグルで検索できますが、手書きでリアルに丁寧に描かれた図面には迫力があります。あの時代どうやって俯瞰図を描くことができたのか不思議です。

その後は、山本有三文庫のコーナーへ。三鷹市に住居を構え、ミタカ国民文庫を開いた山本有三(今もその建物が記念館として残っている。)。彼が集め、死後寄贈された書籍、資料、自筆原稿が大切に保存されていました。児童書のコーナーでは、大型絵本やしかけ絵本を楽しみ、ほんのりとしたひとときを。

雑誌の創刊号コレクションもおもしろかったです。約3000誌の雑誌創刊号の展示。「明星」や「テアトル」などの古い物から順に「週刊新潮」「an・an」「ぴあ」「フォーカス」「ダ・ヴィンチ」。時代の流れに沿って創刊号をみていくのもなかなかのもの。

16ミリフィルムの保存室では、東京の町並み、記録映画の補修をおこなっていました。傷みがひどいものも多く、ひとつひとつチェックして映写し、修正していくとか・・。地道な作業です。

地下1階の書庫は圧巻です。公立図書館最大規模の雑誌専門図書館をめざして、16000タイトルの雑誌がそのままの状態で保存されています。空調やライトなど保存するための設備が大変だと説明あり・・。電動書架を使い、多数の雑誌が効率よくおさめられていました。迷路みたいでおもしろい。マイクロフィルムの保存室も見学。

音声読み上げ機なるものも体験させてもらいました。本を機械の上にのせると、そのまま読み取って声に出してくれる。便利なものができたんだと感心。

企画展は「雑誌でめぐる多摩と鉄道」多摩沿線地域の情報紙や「鉄道ジャーナル」「鉄道ファン」など、鉄道雑誌の展示がありました。

勤務している図書館も中央館に付随して夏休みの課題図書などは棚に並べるのですが、なかなか独自の企画展をする余裕がなく、うらやましいかぎりです。
 
雑誌の収集、これからも膨大な量がふえていく(そりゃそうだ)ので、どのように管理していくかが、課題とのお話。書庫の場所も広げなければいけなくなるので国分寺市に移転する計画があるそうです。
 
バックヤードツアー、普段は入ることができない図書館を体験できるので、興味のある方にはお勧めです。随時図書館で募集しています。http://www.library.metro.tokyo.jp/guide/tama_library/tabid/3590/Default.aspx

古本市2011/05/10 08:50

大震災から2ヶ月が経とうとしています。勤めている図書館でもなにかできないかと古本市を行った、その収益を義援金として赤十字の方に送らせて頂きました。

11月にも古本市を行う予定です。これからも図書館で微力ながらなにかできることはないか、委託員皆で考えていきたいです。

ブログ、細々と続けてまいりましたが、この辺で一区切り。休止させて頂こうかなと思っております。ただ、ただ、怠け者の性格ゆえ・・。お許しを・・。

更新もあまりしてこなかったのですが・・、今まで、時々訪れて下さった皆様、ほんとうにありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。

久しぶりの更新です。2010/10/22 15:20

久しぶりの更新です。

職場の引っ越しも猛暑の中無事終わり、あとは図書室の
改修工事の終了を待つだけ。
その間、分室での仕事はなくなるので
中央館に行ってお手使いをします。
今日は、本の付録の装備をしてきました。
勝手につけるのではなく、細かい決めごとがあるので、
なかなか大変です。

図書室のお仕事2009/11/09 17:44

 勤めている図書室で、古本市が行われました。図書室の入っている市民センターが年に一度、お祭りをするのですが、その一環として行われます。図書室利用者の方から、いらなくなった本を寄贈してもらい、それを、文庫本・絵本10円、単行本50円で売るのです。
 画集や絵本など書店で買うと、かなりお高いものも、この値段です。辻原登さんの新刊『許されざる者』も上下で出ていました。図書館だと20名ほどの予約待ちです。

 先月は蔵書点検も行われました。図書室が年に一度、五日間ほどお休みになるときがあります。その時は、職員の方も、委託員も、皆休みを取っているわけではなく、図書室内で、ひたすら図書の整理をしているのです。全ての本の資料コードをポーティという機械でなぞり、紛失した本はないか、あるべき書棚に本が置かれているか、点検します。痛んだ本の修理なども行います。

 今年は、利用者の方に使いやすいように、レイアウトを検討することになりました。新聞や雑誌を読む大人の利用者と子どもの席が同じだったので、机を増やし、席をわけたり。カウンターから見えやすいように、大きな長机を移動したり、雑誌を窓側に置いて、利用者の方に見やすいようにしたり・・と、あれやこれや、相談し合ってかえていきます。

 今いる図書室は、お母さんが子どもに絵本などを読み聞かせる場所がないのが、ちょっと困ってしまいます。閲覧席であ母さんが読み聞かせていると、雑誌などを読んでいる5,60代の男性の方々が迷惑そうだし・・。いろいろな年齢の方が、様々な目的でいらっしゃるので、すべての方々の希望にかなえるように業務を行っていくのが難しいです。

 まあ、少しずつ、居心地のよい空間になっていけばいいと思うのですが・・。それにしても四年前に地区図書室だったときは利用が一日5,60人だったのに、中央館の分室になった今は200人。パソコンも入り、すごいスピードで仕事内容も変わったし。いや~、感慨深いです。

蔵書点検でした2008/09/09 21:54

某市立図書館の中央館分室に委託員として、今、勤めています。駅前のビル1フロアーの小さな図書室です。今日は蔵書点検の日でした。蔵書点検日とは、図書館が年一回行う本の在庫がどうなっているかをチェックする日です。ポーティという機械で、棚にある本のバーコード(資料コード)をすべてなぞっていきます。分館のコードやロケーション番号も入力するので、その本が、所蔵館の正規の棚に入っているかどうかチェックができるわけです。不明の本や正しい棚に入っていない本は、エラーリストとして抽出されるので、それを探すことも仕事です。傷んだ本など探し、修理をします。棚の本全て整架もします。蔵書点検が終わると図書館の棚はきれいに整理された状態に戻ります。(気持ちいいです。)
 
 今日は、とにかく朝から夕方まで本のコードをポーティでなぞりました。蔵書数は4万5千冊ぐらい。1日でなぞることができました。
 背表紙のタイトルを見ながら、あっ、こんな本、この図書室にあったんだ、なんてちょっとした発見もあったりして。
 
 でもあの機械、なぞる度にピッピと音がして、いたるところで委託員がなぞっているものだから、図書室中、ピッピ、ピッピと鳥の声が渦巻いているようでした。最後の方は頭の中に鳥の巣ができて、くらくらしてしまいました。
 
 岡田利規の『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(新潮社)を読みました。作者は、劇団『チェルフィッチュ』を主催している人です。一度、テレビで芝居を見たことがあるのですが、今まで見たことのない芝居でした。コンビニの風景などとりとめのない若者の会話が延々と続き、物語的な展開はありません。何よりもビックリしたのはセリフと役者の動作がかみ合わないこと。演出家として岡田利規さんがテレビで話していましたが、会話の説明のような動作は役者にはさせなかった、よりリアルに会話の時の自然な感覚を身体表現として役者の人にやってもらったとのこと。手をぐるぐる回しながら、思い出話をする役者さん。あっ、でも、確かになんか友達と話しているときなど、無意味な動作してますよね。きっと他人からみたら、変に映ると思うけど・・・。

 『わたしたちに許された特別な時間の終わり』は、アメリカがイラクへ攻撃を開始しようとしていた5日間を、ラブホテルで過ごした若い男女の物語です。(芝居でも上演されたそうなのですが・・)反戦らしきスピーチが次々と行われた(今風の妙にさめた)パフォーマンス会場で二人は知り合い、すぐにラブホテルへ。テレビも見ず、外部との接点もなく、時間にとらわれない「時間を自分たちの領域の外にまでやってしまった」5日間を過ごします。日常とは違う不思議な異国の地のような渋谷を体験していきます。男の視点、女の視点、第三者の視点。話者が次々とかわり、自由だったはずの5日間が、濃密ななにかわからない実体のないものへの嫌悪感へとなってはき出されていく。とらえどころのない感じ。感情の暴走がリアルでした。