三代山田常山展2012/03/07 16:22

本当に久しぶりに更新です。

2月に「三代山田常山」展行ってきました。愛知県滑床市の陶芸家で急須作りの名匠として知られている作家です。今まで恥ずかしいのですが、この陶芸家の名前を全く知りませんでした。

お煎茶の急須や壺、花器・・、素朴な生活に密着した陶器の数々。でも、よくよく見るとその大胆さにびっくり。

その質素・朴訥とした風貌の中に
新鮮な自然の世界が強烈に広がっているのです。

藻を使って焼いた藻がけ。
偶然に生まれる朱泥の模様は潮の香り、波音が聞こえてきそうです。
海底をうつしとったように美しく・・。  

胡瓜やトマト、蜜柑など身近にある
野菜や果物からデザインされた急須の形。
蓋、つまみの細部にまで植物の形が取り入れられ
健やかに今にも語りかけてきそうで・・、
ほほえましいかぎりです。

何気ない日常の中でひっそりと使う道具に、豊穣な自然界が広がっていて・・いいなあ。
いいものを見せて頂きました。

松井冬子展2012/03/07 16:55

横浜美術館で「松井冬子展」見てきました。

松井冬子というと、今まで怖い絵、グロテスクなイメージがあったのですが、今回まとめて作品を見て印象が変わりました。

腐乱していく身体、漂う幽霊、解剖された動物たち・・。そこにあるのは、死や孤独や狂気の世界ですが、それを解放するようにリアルに描くことで、逆に生に繋がる明るさ、温かさが不思議とわいてくるのです。

「世界中の子と友だちになれる」という作品が良かったです。赤ちゃんのいない乳母車をひとりで守るかのような少女。藤棚の増殖する花の隙間から外の世界を見つめているのですが、垂れ下がる藤の花は最後には群れる黒蜂の姿へと変わり、少女の手足の先からは血がにじみ出ている。子を持つという女性生への恐れ、不安。未熟な時代(少女)と外部との葛藤が描かれているようでした。でも凜と佇む少女の横顔は通過するすべてを受け入れていくようで。危うさとともに力強さを感じます。

ブリングルさん「詩人のこえ」2012/03/07 17:25

ブリングルさんの「詩人のこえ」に行ってきました。

今度出す詩集に載せる予定の作品を読んで下さいました。

声にも不思議な魅力があり、1時間があっというまにすぎてしまいました。彼女独特の言葉選び、ユーモア。聞いている方を飽きさせません。言葉の世界を迷う長い詩が特におもしろかった。

万華鏡のように言葉が意外な方向に乱反射し、体感したことのない詩世界が次々と開かれてくるブリングルワールド、声の力でも心地よくさまようことができました。日常の言葉のレールから解放され浮力を感じたひとときでした。

『ヒミズ』2012/03/29 00:09

映画『ヒミズ』を見ました。主演の若い2人もよかったけど、暴力をふるう父親役をやった光石研の演技がよかった。本当に憎たらしくて自己中心的な父親で・・。スゴイ。

 父親を殺した貸しボート屋の少年が、やはり家庭に事情のある少女と知り合い、絶望の中でもがきながら、それでも生きていこうと微かな光をつかみ取るまでのお話です。「住田(少年の名前です。)頑張れ」という教師のあざとい言葉。映画のラストシーンでもう一度この言葉は繰り返されます。少女が少年に、一緒に走りながら叫ぶ「住田頑張れ」。同じ言葉なのに。ふたりのぎりぎりの体験を通したからか、言葉は全く変わってくる。生きもののように変化するんだ・・・と、実感しました。一途に少年の心に寄り添おうとする少女の強さ。女ってスゴイ。

たかはしゆりさんの写真展2012/03/29 01:00

 戸越銀座のカフェでおこなわれているたかはしゆりさんの写真展にも行ってきました。たかはしゆりさんは、料理を作り、それを写真にとってブログや展示で発表していらっしゃいます。今回は新鮮な野菜類を撮っていらっしゃいました。写真の力はおもしろいです。グリーンピース・大根・人参・林檎・・、なにげない野菜や果物がいろんな表情見せてくれて・・、楽しいひととき過ごせました。