たこぶね会2011/02/16 13:23

 2月のたこぶね会に行ってきました。今回は皆でリービ英雄さんのエッセイ『我的日本語』(筑摩選書)を読みました。詩人の坂多瑩子さん、朗読家の原田静さんの司会です。お二人のお話がとてもおもしろく、充実した時間が過ごせました。

 リービさんは、アメリカと中国、日本を行き来しながら、日本語を通して小説を書き続けているアメリカ人の作家です。万葉集をアメリカに紹介するなど翻訳の仕事をしながら、日本語の小説を書くのに20年かかったとか・・。あなたは翻訳をしなさいと言い続けられたとか・・。排他的な日本人の感覚考えさせられます。

 前回やった多和田葉子さんの越境は、「A語とB語の間の詩的な峡谷に落ちていくこと」(『エクソフォニ-』)でした。自分は何人かにはとらわれない、純粋に言語の違いの中で表現を追求していくことであったのに対し、リーベさんは越境の背景にアイデンティティと歴史の問題がある・・・。両者の違いがおもしろかったです。何気なく使っている言葉、豊穣な日本語は、万葉から続く深い歴史を背負っているんですね。枕詞をどのように訳せばいいのかなど、言葉で簡単に説明できない不可思議な大きな空間を持っている日本語の魅力にあらためて気づかされました。異国からきた小説家だからこそ見えてくるものがたくさんあるんですね。

 次回はリービ英雄さんの小説『仮の水』を読みます。現在の中国を題材に書かれた小説です。つい英語や、ヨーロッパ言語との比較でみてしまう日本語です。漢字(真名)文化の中国との関係歴史は忘れられてしまいます。仮名文化を発祥した日本から見たとき、どのように写るのか。仮のもの、虚構で溢れる現在の中国とは何なのか・・。また、読み応えがありそうです。

「中庭ノ空」 行ってきました。2011/02/18 19:17

詩人の五十嵐倫子さんが開いたカフェ「中庭ノ空」(江古田)に行ってきました。詩集とアートと音楽。おいしいコーヒーやケーキ、サンドイッチ・・。ガラス張りの明るい店内は、五十嵐さんの人柄にあった、あたたかくて居心地のいい素敵な空間です。

http://nakaniwanosora.web.fc2.com/index.html

お気に入りの詩集を手にとって読みながら、コーヒーを飲んで・・。日常の慌ただしさを忘れ、ほっとした時間を過ごせました。詩人の辻和人さん森岡さんもいらっしゃって、少しおしゃべりができました。

映画 『あの街の子供』2011/02/19 19:17

 映画『あの街の子供』を2日東京都写真美術館で見てきました。阪神・淡路大震災を経験した二人の若者が15年後の1月に神戸の街を歩き続けるロードムービーです。夜の暗闇に包まれた神戸の街が斬新な映像で淡々と続き、懐かしかった・・。復興した町並みが凜として・・、哀しいけど美しいです。

 自分の中で、友人の死と向き合う美夏(佐藤江梨子)、震災後の父親とのわだかまりを美夏に話し、心を開いていく勇治(森山未來)。震災から流れた年月とともに抱え込んだトラウマを二人が受け入れていく姿が丁寧に描かれていて良かったです。(映画は13日まで。)

下北沢「うさや」2011/02/24 21:28

下北沢駅前食品市場にある居酒屋「うさや」。

http://r.tabelog.com/tokyo/A1318/A131802/13107858/

年末(今頃書いている)先輩につれていってもらいました。駅前再開発でなくなってしまうとか・・。昭和レトロな雰囲気のあるお店なのに残念です。久住卓也さんの「TENUGUI展」もやっていました。

晩白柚2011/02/26 01:49

 詩集『幻影の足』で花椿賞を受賞なさった詩人有働薫さんから、晩白柚(ばんぺいゆ)を頂きました。直径  センチはありそうです。まさしく果実王。